詰パラ 入選187回 同人室

詰パラ4月号で紹介ありましたが、大学の「メ」が半期賞を受賞しました。よかったです。

それはそうと、今回は同人室。



詰将棋パラダイス2021年12月号
同人室

6 入選187回
三原市 鈴川優希


誤0 無14
A28 B5 C2
平均2.74

宮○敦史―角消去の意外性&73飛捨ての気持ち良さ!
岩○茂―83飛が龍になって元位置でとどめをさす。



課題「終始同一図式」。
初手と最終手をリンクさせる構成は大好き。だが、そんなに簡単に作れるものではない。
序の変化と紛れの切り分けが大変だったが、83飛と、のちに邪魔駒となる銀を打つところから始められてようやく完成となった。
収束は翻弄した飛車を取ってしまうが、取った直後に捨てるのでそんなに味悪ではないと思う。

詰パラ 入選185回 短コン

詰将棋パラダイス2021年12月号
短編コンクール

22番 2位 入選185回
三原市 鈴川優希

誤43 無10
A58 B7 C1
平均2.91
2/50位

鈴○彊―24飛から64馬と捨て33との逆モーションは見事。
竹○孔明―33と。こんな手がよく浮かぶもの。名作です。



5手目43とだと34歩合とされ、作意の最後で飛車を取られてしまう。紐をつけるためのソッポ。
単純に53に逃げる余地を与えるのと、序の4手でバッテリーを組み替えて一安心した心理状態での罠なので、けっこうな人が引っかかってくれた。
構図自体は昨年の短コン作の使いまわし。このソッポの意味づけも特に新しくはないので、そんなにすごいことをやっているわけではないが、演出次第でまだまだやっていけるという感じだろう。

詰パラ 入選184回 大学

実は今年からmy cube新館をオープンして記事の移植を進めています。
サイトの見た目が整い次第、こちらでも告知します。

とりあえずそれまでは、自作の発表作の整理のため、旧ブログに記事だけはあげていきます。



詰将棋パラダイス2021年11月号
大学

誤4 無12
A15 B2 C0
平均2.88

宮○敦史―まさかの初手や、44銀に対する35桂(歩?)、作意の87桂など、非常に中身の詰まった曲詰。傑作。
占魚亭―下半期の〆は「メ」の炙り出し。35銀の捌きが好感触。



かなり難解な炙り出し。
まず、初手44銀が普通だが、これには35歩合とされ……

43-3t3.png

同馬、67玉、58金、同馬、78銀、76玉、77金、65玉で、

43-3t4.png

中合の効果で25龍が王手にならないので逃れている。
そこで、初手はわざわざ開王手をしないように46銀と非効率に使うことで、35歩合を防ぐというちょっとした構想になっている。

43-3t5.png

これなら25龍で簡単だ。

そこで65玉ではなく85玉と逃げるわけだが、89龍と回り、74玉、73銀成でさらに悩ましい。

43-3t6.png

①73同玉から考える。これには51馬、64玉、84龍、65玉、66金、同玉、86龍、76合、84馬、56玉、68桂、同馬、76龍以下、39手くらいで詰む。

続いて、73銀成に②64玉を考える。84龍といきたくなるが、それは65玉、66金、同玉、86龍に76金合で惜しくも詰まない。正しくは55銀で、同玉、46馬、65玉、57桂、同馬、85龍、75金(飛)合、同龍、同玉、57馬と駒がたくさん入手できて詰む。

そこで、③65玉を考える。これには57桂と捨て、同馬は85龍、75馬(質駒の事前退避)、76金、56玉、57銀、47玉、46馬、58玉、67銀、49玉、89龍、59金合(銀合は売り切れ)、58銀以下詰み。したがって、57桂は取れず56玉とかわすことになるが、67銀、47玉(同馬は同金、同玉、34馬、56歩合、78角以下)、58銀で捕まってしまう。

43-3t7.png

たくさん変化を追いかけてわけがわからなくなってきている頃かと思うが、この局面が一番重要。作意をすでに並べた方ならもうピンときているはず。

43-3t8.png

そう、89龍と回った局面で87桂合を入れておけば……

43-3t9.png

58銀に38玉と潜り込んで、これが唯一の逃れとなっているのだ!
強力な龍をわざわざ近づけてしまう不利感もあり、かなり見えにくい中合になっていると思う。

43-3t10.png

さて、87桂合に同龍、74玉、73銀成、65玉、66金、同玉と進んだ局面。ちなみに、87が歩合だとここから33馬、75玉に76歩と叩けて早い。
桂合の場合は違う攻め方をする。つまり、ここで46銀が邪魔駒になっているので、57銀、75玉(65玉も可)、66銀、同玉と原型消去をしてから77銀と上がっていくのがちょっとやりにくいが正解。振り返ってみれば、この46銀は初手で中合回避のために仕方なく置かされたもので、それをこのタイミングで消去するというのが狙いの伏線回収である。

以降の手順は最初の動く将棋盤で並べてもらえば結構だが、それほど簡単というわけでもない。ともかく、最後は「メ」の炙り出しとなる。

43-3t11.png

最初はもちろん都詰になるように作ろうとしていたが、最後の金合のところで変化が割り切れなかった。一段ずらしたら展望が開け、ここまで逆算できたという裏話。
「メ」の炙り出しは収束のパターンが限られていて、なかなか新作と呼ぶにふさわしい逆算ができないのだが、今回は一段ずらしのおかげで大成功だった。

詰パラ 入選182回 短期大学

詰将棋パラダイス2021年9月号
短期大学

短11 入選182回 3・4投
三原市 鈴川優希
「豆鉄砲」

誤4 無6
A51 B10 C0
平均2.83

蛭○毅―序盤9筋に豆を詰め、後半一発ずつ発射。
北○正一―歩香の重ね打ちから歩が邪魔になるストーリーを軽く表現、うまいです。



収束3手からの逆算。95歩を置いたら邪魔駒になることに気づいたので、ならばその歩を打つところまで逆算したい。とすると94香も打つ必要があり、歩香重ね打ちとなる。結果として、全部うまく入った。
2手目85玉には76銀、96玉に98香で捕まえるため、香を温存しておくというのが歩香重ね打ちの意味。なおこの変化で97合に85龍と捨てる手がちょっとかっこいい。
手順が4手一組のようなリズム感があり、重ね打ち~邪魔駒疑似消去のテーマを軽快な流れの中に組み込むことに成功していると思う。こんなに易しくてもC評0の平均2.83には驚いた。



話は変わるが、今回は動く将棋盤に「将棋タイム」を使用させてもらっている。
JavaScriptの将棋盤の中では最もデザインが良いし、スマホからでも盤の右半分をタップすれば手が進むので、操作しやすい。
コードも触りやすいので、カスタマイズができそうだ(今回は駒音をOFFにするなどしている)。

現在、このブログの過去記事では、flashのサポート切れとFC2の仕様変更により、ほとんどの動く将棋盤が表示できなくなってしまっている。
FC2への愛想も尽きつつあるので、この年末年始あたりにmy cubeの新館引っ越し作業をしようと考えている。
かなり大掛かりな改変も伴うので、過去記事は少しずつしか移行できないが、裏短コンの記事を中心に順次やっていくつもり。(さすがに、いろいろな方に作品を投稿してもらっているので、その記事がまともに見られなくなっている今の状態はまずいというのが動機です。なお、もとのURLも残します)
いつまでかかるか分からないが、お楽しみに。

詰パラ 入選183回 同人室

詰将棋パラダイス2021年6月号
同人室

⑦ 入選183回
三原市 鈴川優希



誤0 無7
A25 B5 C0
平均2.83

須○卓二―35桂~34桂が気持ちの良い手順。まあ63銀にだいぶ苦しめられたせいもあるんですが。
つけひげたんてい―桂中合の妙防と角飛不成で舞台構成。コントロールされた意外性。



配置が汚いのでボツ作のつもり。課題「伏線」に沿った在庫がなかったので、収束の34桂を打つための35桂を無理やり伏線とこじつけて投稿した。
不成がテーマなのに、収束の42飛成と53角成がどちらも非限定なのが気持ち悪い。特に53角生とやると52玉で手数が伸びるので嫌がらせ不成の余詰といったところ。
序の63銀がちょっといい手として逆算で入ったので、収束のキズを覆い隠せたのかもしれない。

詰パラ 入選180回 B級順位戦

詰将棋パラダイス2021年6月号
B級順位戦

⑤ 入選180回 4位残留
三原市 鈴川優希



誤5 無7 ※2
1-0 2-2 3-6 4-13 5-12
平均4.06

福○徹彦―生が最善なのが意外。9筋の銀を捌いて飛を活用させるのが難しかった。
水○一―簡素な初形から、変化も含めた左下の空間での濃密な手順はすばらしい。



まず収束の98飛成だが、ここで88合で変長だという意見をどこかで聞いた気がしたので、そんな馬鹿なと思い(2006年看寿賞の中村作などある)、ならばその収束からあえて作ってみようという気になった。
13角を成り捨てるようにすると、79金を防ぐため67桂を置くことになるが、それならこの桂は不成で跳ばせることができるはずなので、そこまで逆算するのが目標である。というわけで、それが実際に入ったので完成となった。
本来なら13角も限定打で打つつもりでいたのだが、桂生との両立を考えるとどうしても無理作りになるので諦めた。あとは95の銀も本来なら持駒にしたいところ。

詰パラ 入選179回 高等学校

詰将棋パラダイス2021年5月号
高等学校

高25 入選179回 2・10投
三原市 鈴川優希



誤4 無31
A47 B5 C1
平均2.86

須○卓二―中盤の変化を散々読まされたあとに華麗な収束と印象深い作品。
占魚亭―2度の「香打・同と」が上手く効いている。収束も鮮やか。
松○成俊―この程度の配置で実現できる最高レベルの手順では?



kifuPlayerは分岐の棋譜に対応していないので、図面で解説していく。
まず、3手目23飛、44玉に49香と打つ紛れが超難解。

17-47m1.png

これには48歩合、同香、46桂合が唯一の逃れ。

17-47m2.png

以下、64飛、54歩合、45歩、同とに35金という好手があって詰みそうになるが、取らずに55玉、54角成、同桂、同角成、56玉と進むと……。

17-47m3.png

46桂合の効果で58香が打てないし、また45馬、57玉、67馬と追うのも48歩合を入れておいたおかげで48が抜けるというわけ。

一方、先ほどの連続合の局面で……。

17-47m2.png

45歩、同玉、25飛成と追うのも有力だが、

17-47m4.png

35香合が限定合で逃れとなる。これは23角成に34歩合を用意した、二歩禁回避の香先香歩。34に歩より高い駒を合駒すると、同角成、54玉、84飛で詰んでしまう。



次に変化を補足。
序盤での分岐はわりと追い詰なのでわざわざ見せるほどではないのだが、8手目46合とすると、

17-47h1.png

34角成、同玉、35金、同と、44飛、同玉、43飛成と、なんだか捨てまくって詰む。別の詰ませ方はたぶん、ない。

また、12手目54玉には、

17-47h3.png

64金が面白い手で、同玉に73飛成迄。



と、いろいろな変化紛れを内包しながら、なんとか作意が成立した。
本当の狙いは、このブログの長年の読者なら分かってくれるかもしれないが、初手に打った角を最後に成り捨てること。この角を打つところまで逆算するためには、かえってハードルが上がりそうなものだが、2度の二間離しの香捨を入れることが必要で(と金が25にいてくれないと23玉の形が詰みやすすぎる)、それがまた一つの好手順となってくれた。
結果的に相当難解になってしまったが、ノーマルな逆算の手筋物としては盤面9枚の配置のわりになかなか壮観だと思う。

詰パラ 入選178回 短期大学

詰将棋パラダイス2021年4月号
短期大学

短17 入選178回 3・1投
三原市 鈴川優希



誤3 無9
A31 B12 C2
平均2.64

宮○敦史―打ち辛い初手、連続飛生から圧巻の収束。
西○英夫―連続飛不成と後の連続龍捨ての対比が面白い。



kifu for JS、解決できなかった。外部サイトにkif形式のtxtファイルを置いてリンクを貼ってみたりもしたが、ダメだった。
インラインフレームで別に作ったhtmlを埋め込めばいけると思うが、見え方的にちょっと不格好になるので、また今度。
そういうわけで、今回は試験的にkifPlayerというものを使わせてもらった。盤そのものをタップ(クリック)すれば手順が再生されるので、スマホからは見やすいと思う。
最終的に何を使うのがいいのかは今後また考えることにする。
こんなに苦労しているのは、すべてFC2の広告表示仕様のせい。

ところで作品のほうは、飛不成2回に移動合2回の応酬が狙いで、そこから無理やり大駒を3枚捨てる収束を正算した。配置が左に広がってしまったので、この初手を入れてその配置を再利用するほうへ逆算した。

詰パラ 入選181回 ヤン詰

詰将棋パラダイス2021年4月号
ヤング・デ・詰将棋

④入選181回
三原市 鈴川優希


A70 B13 C2
誤無解+無評価20
平均2.80
首位予想投票数60

西○晃太―初手で迷った。
奥○眞―割り切れた易しい大道棋のよう。
宮○敦志―鮮やかで気持ち良い。



大道棋っぽい金合からいい感じの収束を見つけたので、余詰防ぎで52銀だけ置いて完成。
序の誘い手が意外にあったようで好評だった。
冬眠蛙さんのブログで収束は既成だということを教えてもらったが、まあそりゃそうだよなという感じ。ヤン詰発表ならまだ許してもらえるかと思う。

詰パラ 入選177回 デパート

詰将棋パラダイス2021年3月号
デパート

④ 入選177回
三原市 鈴川優希


正22 誤0 無13

鈴○彊―攻方飛が不成3回の大回転。最後に成って捨て馬で決める力作。
小○徹―またまたやってしまった。収束で龍をひっくり返す禁じ手を。
須○卓二―三原やっさ踊りのような躍動感と緻密さがありますね。



これは私としては失敗作の部類。
22飛生に角合のところから作り始めたが、収束を決めるのに45龍といういかつい配置が必要で、また2筋に二歩禁の歩を配置するのが必須なので盤面が広がってしまう。
そういった無理をごまかすために仕方なく逆算していき、飛生をもう1回増やすことによってなんとか形になったという感じ。
結果的にはその最後のあがきが解答者には評価されたようで、やってみるもの。

なお、三原に越して1年になるが、やっさ踊りはまだ見たことがない。
カレンダー(月別)
03 ≪│2024/04│≫ 05
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 - - - -
FC2カウンター
About
my cubeへようこそ。詰将棋のブログです。駒を並べてアートが表現できるって素敵なことじゃありませんか? 詰キストの方もビギナーの方も楽しんでいってください。

Author:鈴川優希
1997年生まれ。月刊誌「詰将棋パラダイス」に作品を発表している詰将棋作家です。詰将棋は小学生の頃から作り始め、2009年5月に詰パラ初入選。2015年12月に最年少同人入り(入選100回)。半期賞9回、看寿賞1回。2016年4月~2020年6月「ちえのわ雑文集」世話役を務めました。現在は入選200回を目指す傍ら、順位戦や短コンの解説をたまに担当しています。

裏短編コンクール
2015年(第n回)・2016年(第φ回)に当ブログで開催。使用駒数11枚以上、タイトル必須という条件で募集した作品を出題し、解答者に評価してもらうという企画です。結果発表はニコ生で行いました。作品の結果稿はブログ右袖のカテゴリーからご覧いただけます。なお、この裏短コンはほっとさんのブログ「詰将棋考察ノート」に受け継がれました。

今週の詰将棋・
詰将棋ウィークリー

今週の詰将棋は2009年7月からの2年間100題。詰将棋ウィークリーは1012年3月からの50週は幻想咲花さんとのコラボ、それ以降は鈴川単独の出題で2014年3月まで、#100をもって終了しました。解答していただいた方に感謝します。
※81puzzler閉鎖につき詰将棋ウィークリーの記事にはリンク切れが多いです。

解付き出題
自作を解付きで並べていくだけ。現在#120をもって休止中。在庫整理の意味合いが強いので質より量です。

詰将棋あるあるbot
Twitterで、詰将棋あるあるネタを5時間に1回ツイートするbotを作ってみました。ツイート内容は700種類用意していて、たまに更新されます。皆さんもハッシュタグ「#詰将棋あるある」でツイートしてみてください。@TsumeAru_bot

このブログはリンクフリーです。Sine 2009.6.
メールアドレス
makugaeru●yahoo.co.jp
●を@に替えてください。
全記事数表示
全タイトルを表示
最新記事
最新コメント
カテゴリ
検索フォーム
リンク
詰将棋あるあるbot